犬の死因の50%はがん!?発生率・死亡率・予防法を徹底解説!
犬の寿命が延びる中、がんは犬の健康問題として大きな注目を集めています。複数の調査によると、犬の死因の約50%近くががんに起因しているという現実があります。
特に高齢犬では発症率が高まり、早期発見と治療が生存率向上のカギとなります。定期的な健康診断の実施と飼い主による日々の体調チェックが、愛犬の健康管理には欠かせません。
犬に多いがんの種類と特徴
1. 血管肉腫(Hemangiosarcoma)
特徴:血管の内皮細胞から発生する悪性腫瘍。脾臓、肝臓、心臓などにできやすく、急速な進行と腫瘍破裂による大量出血が懸念されます。
好発犬種:ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ミニチュア・ダックスフンドなど。
死亡率:未治療の場合は1~3ヶ月、治療しても5年生存率はほぼ0%と非常に高い。
2. リンパ腫(Lymphoma)
特徴:リンパ球ががん化する疾患。リンパ節の腫れや全身の元気消失が主な症状です。
好発犬種:ボクサー、ゴールデン・レトリーバー、バセット・ハウンドなど。
死亡率:未治療なら1~2ヶ月、化学療法により1~2年生存可能な場合もあり、5年生存率は約20%。
3. 乳腺腫瘍(Mammary Tumor)
特徴:避妊手術を受けていないメス犬に多く、乳腺にしこりとして現れます。良性・悪性の両タイプがあり、悪性の場合は転移リスクが高いです。
予防策:初回発情前の避妊手術が非常に効果的。
死亡率:良性なら非常に低いが、悪性の場合は生存率が約50%程度に留まります。
4. 肥満細胞腫(Mast Cell Tumor)
特徴:皮膚に発生し、かゆみや赤みを伴うことが多いがん。悪性度により治療方法が異なり、低グレードなら手術で完治が期待できます。
好発犬種:ボクサー、パグ、ボストン・テリアなど。
死亡率:低グレードの場合は5年生存率が約90%ですが、高グレードでは10~20%に低下します。
5. 骨肉腫(Osteosarcoma)
特徴:骨に発生する悪性腫瘍。足の腫れや跛行などの症状が見られ、進行が速く転移が起こりやすいです。
好発犬種:特に大型犬に多く見られます。
死亡率:未治療では数ヶ月、治療後でも5年生存率は5~10%と非常に高い。
6. 扁平上皮癌(Squamous Cell Carcinoma)
特徴:皮膚や口腔内に発生するがんで、潰瘍や出血が見られることがあります。早期発見により手術で改善が期待できます。
好発部位:口腔内、皮膚、爪床など。
死亡率:比較的中程度で、治療次第では2~3年以上生存可能なケースもあります。
犬のがんの死亡率と生存率のまとめ
以下の表は、各がんの種類ごとの一般的な予後をまとめたものです。
犬のがんの予防法とは?
がんのリスクを完全に排除することは難しいですが、以下の対策を講じることで、早期発見とリスク軽減が期待できます。
1. 定期的な健康診断
年1~2回の定期検診を受けることで、初期のがんを早期に発見できます。
2. 日々の体調チェック
しこりの確認:皮膚、口腔、乳腺などに異常がないか定期的にチェックしましょう。食欲や体重の変化:急激な体重減少や食欲不振はがんのサインである可能性があります。
3. 避妊・去勢手術
特にメス犬の場合、初回発情前の避妊手術は乳腺腫瘍のリスク低減に非常に効果的です。
4. 健康的な食生活と適度な運動
抗酸化作用のある食材(ブルーベリーやブロッコリーなど)を取り入れるとともに、肥満を防ぐために適度な運動を行い、免疫力を維持することが重要です。
ダックスフンドが特に気をつけたいがんとは?
ダックスフンドは比較的長寿な犬種ですが、その独特な体型や遺伝的背景から特定のがんリスクが高いとされています。
血管肉腫:脾臓や心臓に発生しやすく、内臓への負担を軽減するために定期的な腹部超音波検査が推奨されます。
乳腺腫瘍:避妊手術を受けていないメス犬に多く、早期の手術が予防策として有効です。
扁平上皮癌:口腔内に発生しやすいため、日々の口腔ケアや定期検診での早期発見が不可欠です。
ダックスフンド飼い主は、体型に合った適切な運動管理と日常の健康チェックを実践し、がんのリスクを低減する生活習慣を取り入れることが大切です。
犬のがんリスクを理解し、早期発見と予防で愛犬の未来を守ろう
犬のがんは、その高い発生率と死亡率から、飼い主にとって重大な健康問題です。特に高齢犬に多く見られるがんは、早期発見と迅速な対応が生存率向上の鍵となります。
血管肉腫や骨肉腫といった進行が速いがんは治療が困難ですが、リンパ腫や乳腺腫瘍などは適切な治療によって長期生存が期待できる場合もあります。
また、ダックスフンドは独特の体型から特定のがんリスクが高く、血管肉腫、乳腺腫瘍、扁平上皮癌への注意が必要です。定期的な健康診断、日々の体調チェック、適切な食事や運動といった予防策を実践することで、愛犬の健康を守り、安心して共に過ごせる未来を築くことができるでしょう。