ダックスフンドがヘルニアになった時の安静に過ごす方法「ケージレスト」とケアの注意点を解説
愛犬がヘルニアと診断されると、獣医師から「絶対安静」と言われることがあります。
「どうやって犬を安静にさせればいいの?」
「どうしても動き回ってしまって困る!」
安静と言われても、実際はかんたんにできませんよね。
そこで今回は、犬がヘルニアになった際の安静に過ごす方法「ケージレスト」と、ケアのポイントをくわしく解説します。
安静の必要性や期間と対処法、ケージレストの注意点などがわかります。
ケージレストと適切なケア方法を実践して、愛犬のヘルニアの症状をやわらげてあげましょう。
なぜ安静にする必要があるの?
犬がヘルニアになった場合、重症度によっては獣医師から安静にしておくことが求められます。
なぜ安静にする必要があるのか、理由は大きく2つあります。
- 関節や脊椎に負担をかけないため
- 自然治癒力を高めるため
以下、順番に解説します。
関節や脊椎に負担をかけないため
ヘルニアの悪化を防ぐには、患部を動かさないことが大切です。
関節や脊椎に負担をかけると、症状が進行する可能性があります。
- ジャンプ
- 長時間の散歩
- 階段の昇降
上記の様な激しい運動や腰に負担をかけるむりな動きは、ヘルニアを悪化させます。
安静にして、症状を落ち着かせましょう。
自然治癒力を高めるため
安静にすることで自然治癒力を活性化します。
自然治癒力が最大限に発揮されると、回復が早くなり症状が良くなります。
むりに動かすことがなければ痛みも最小限に抑えられ、炎症もおさまっていきますよ。
犬のヘルニアの安静期間は1〜2週間
ヘルニアの炎症は通常1〜2週間程度続きます。
その間は痛みがあるため安静にすることが大切です。
症状がひどいときは、1か月以上の安静を獣医師から言われることもあります。
一方で老犬の場合は、長期間の安静状態は危険な可能性があります。
老犬は関節が固まりやすく筋肉も衰えてしまうので、かえって健康を損なう可能性があるからです。
安静期間は獣医師からのアドバイスを聞き、しっかりと守りましょう。
犬が安静にしないときはケージレストがおすすめ
犬がなかなか安静にしてくれない時は、ケージレストの導入がおすすめです。
ケージレストとは、犬をケージ内に入れて安静にさせる方法です。
ケージのサイズは、犬がむりなく寝返りを打てる程度の広さが必要です。
具体的には、犬の頭から尻尾の付け根まで長さの1.5倍くらいの大きさを目安にしてください。
これは犬が動き回れない状態の広さであると同時に、窮屈すぎずストレスを軽減させる広さでもあります。
また、ケージ内の環境を整えて、できるだけ愛犬が快適に過ごせるスペースを提供してあげることが大切です。
ケージレストで安静にすごすときのアドバイス5つ
ケージレスト中は、以下のことに注意してください。
- 体が沈み込まない程度のベッドを敷く
- 給水ボトルを設置する
- おむつを履かせる
- 2時間おきに寝がえりをうたせる
- 食事の量を少し減らす
順番に解説します。
1)体が沈み込まない程度のベッドを敷く
体が沈み込まない程度の固さのベッドをケージレストの中に用意しましょう。
固さがあることで、犬の体重を分散して脊椎などにかかる負担を減らします。
柔らかすぎるベッドでは体が沈み込んでしまい、正しい姿勢を保てなくなります。
犬の体をしっかり支えて、姿勢を保てる固さが重要です。
ベッドカバーは清潔を保ち、愛犬が快適に休める環境を整えましょう。
2)給水ボトルを設置する
水を飲ませる際は、ボウルよりも給水ボトルがおすすめです。
給水ボトルは頭の高さに合わせられるので、ボウルで飲むときと違って首を曲げる必要がありません。
そのため、給水ボトルならヘルニアの患部に負担をかけずに水を飲めます。
水をこぼす心配も少ないため、ケージレストでベッドを敷いている環境には最適な方法です。
3)おむつを履かせる
安静に過ごすために、犬用のおむつを履かせましょう。
犬はおしっこをする際に片足を上げたり、ウロウロと動いたりします。
また、うんちは後ろ足を踏ん張るポーズを取ります。
これらの動きは、関節炎の患部に負担をかける動きでもあるのです。
トイレの際はおむつを履かせて、患部をあまり動かさないようにさせてくださいね。
4)2時間おきに寝がえりをうたせる
床ずれや筋肉がこわばらないようにするために、2時間おきに寝がえりをうたせましょう。
長時間同じ姿勢でいると、圧迫された部分の血流が悪くなってしまいます。
犬が痛がらないようにそっと抱きかかえ、ゆっくりと反対側に寝かせてください。
寝返りの際に、ベッドやマットがしわにならないよう整えることも大切です。
おむつ交換と同じタイミングで行ったり、アラームを設定して寝返りを忘れないようにすると良いでしょう。
5)食事の量を少し減らす
ケージレストをすると運動量が減少するため、カロリー消費も低下します。
そのため、普段の食事量だと体重が増えてしまう可能性があります。
適度に食事の量を調整して、愛犬が太らないように注意しましょう。
具体的には、通常の食事量を1〜2割減らすことから始めます。
低カロリーのドッグフードに切り替えるのもいいでしょう。
適切なフード量がわからない場合は、獣医師に相談するのがおすすめですよ。
ヘルニアの安静期間中に気をつけるべきこと
安静期間中に気をつけるべきことは以下の3つです。
- 散歩に行かない
- 落ち着かない場所にケージを置かない
- 声かけや励ましをする
順番に解説します。
散歩に行かない
「絶対安静」と獣医師から診断されたら、散歩に行くことはできません。
散歩は患部に負担をかけてしまうため、ヘルニアが悪化します。
犬が散歩に行きたがるかもしれませんが、我慢させましょう。
落ち着かない場所にケージを置かない
犬が落ち着かない、うるさい場所にはケージを置かないようにしましょう。
バタバタしやすい玄関やリビングは避け、物音や声、人の出入りが少ない静かで落ち着ける部屋に置きます。
室温を管理する必要があるので、エアコンが設置されている部屋にしてくださいね。
暗いところが落ち着く犬が多いので、カーテンなどで日光を調節できる場所もおすすめです。
声かけや励ましをする
ケージレストは犬にとってストレスの多い治療法です。
飼い主として、愛犬に声かけや励ましを忘れないようにしましょう。
寝返りの際になでてあげたり優しく声をかけることで、犬はリラックスできます。
「いい子だね」「頑張ってるね」など、ポジティブな言葉をかけてあげてくださいね。
犬のストレスを軽減すれば、自然治癒力を高める効果も期待できますよ。
【まとめ】犬のヘルニアにはケージレストで安静にできる環境をつくろう
ヘルニアの悪化を防ぎ、体の回復を促進する方法として「ケージレスト」を紹介しました。
ケージの中の環境を整えて、おむつの装着や2時間おきの寝返りなど、愛犬の生活をサポートしてあげてください。
また、ケージは静かで落ち着ける場所に置き、声かけや励ましを忘れずに行うことも重要です。
これらのケアをして愛犬のヘルニアの症状を緩和し、早期回復をサポートしましょう。
愛犬が元気な姿を取り戻せるように、飼い主さんも安静のサポートをしてあげてくださいね。