ダックスフンド犬の耳毛はカットするべき?理由と正しいやり方・失敗しないコツ
「犬の耳毛が長いけど、このままで大丈夫かな?」
「ダックスフンドの耳毛は切った方がいい?」
愛犬の伸びた耳毛そそのまま放っておいていいのか、カットするべきか悩みますよね。
結論から言うと、耳毛を切るかどうかの判断は個々の状況によります。
間違った方法でカットしたり不必要に抜いてしまうと、耳の病気につながる可能性も。
この記事ではダックスフンド飼育経験のある筆者が、耳毛に関する知識やカットの方法について詳しく解説します。
耳毛をカットするメリットやデメリットについてもお伝えします。
自宅で耳毛を切るのが厳しい場合は、トリミングサロンにお願いするのも一つです。
個々の状況によるところが多いので、愛犬の耳の状況によって判断してくださいね。
犬に耳毛があるのはなぜ?
犬に耳毛がある理由は、以下の2点です。
- 異物が耳に入るのを防ぐため
- 温度調整をするため
犬の耳はデリケートなため、耳毛によってゴミやほこり、虫などが入るのを防ぐ役割があります。
異物が入らないように守ることで、感染症や炎症のリスクを減らせるのです。
また、外気温の変化から外耳道を保護して、体温調節を助ける役割もあります。
ただし、耳毛が過剰に増えると外耳道の通気性が悪くなり、蒸れて病気になる可能性もあります。
犬の耳毛の量を気にかけて、必要であればカットして減らしましょう。
ダックスフンドの耳毛は犬種によって変わる
ダックスフンドの犬種の中でも耳毛が生えるのは「ワイヤーヘアー」です。
ダックスフンドの毛質は次の3つに分かれています。
- 短髪の「スムースヘアー」
- やわらかく長い「ロングヘアー」
- かたくて長い「ワイヤーヘアー」
耳毛が生えるワイヤーヘアーのダックスは、毛がかたくてゴワゴワしています。
毛量も多く長いので、耳毛はカットしてあげましょう。
また、どの犬種のダックスフンドも基本的に耳が汚れやすいので、定期的に耳掃除をしてくださいね。
過剰な耳毛は処理しないと病気になりやすくなる
耳毛が多く生えてしまった場合、処理を怠ると以下の病気にかかりやすくなります。
- 外耳炎
- 中耳炎
- 耳ダニ感染症
順番に解説します。
外耳炎
耳の外部の炎症で、主な原因は細菌や真菌の感染です。
耳の湿気や汚れがたまることで、細菌や真菌が繁殖しやすくなります。
中耳炎
耳の中の炎症で、通常は外耳炎が進行して中耳に感染が広がることで起こります。
耳の痛みや圧感、聴力の低下、発熱などが見られます。
耳ダニ感染症
耳ダニが耳の中で繁殖することによって起こります。
湿気や汚れがたまりやすい耳の中の環境が、ダニの繁殖を促す要因となります。
おもに下記のような症状があります。
- 耳のかゆみや掻きむしった後に出血する
- 耳から茶色の分泌液が出る
- 耳の中に黒い粒状のものが見られる
愛犬の耳に異変を感じた場合は、すぐに獣医師に相談してくださいね。
犬の耳に異常があるときのサイン
犬は耳に異常があるとき、何らかのサインを出します。
以下の行動をとっていないか観察してみてください。
- 耳をかゆそうにしている
- 名前を呼んでも振り向かないなど聞こえにくそうにしている
- よく頭をふったり傾けたりする
上記のような症状がある場合は、耳あかがたまっていたり異物が混入している可能性があります。
耳の病気は合併症を引き起こすこともあります。
早めに治療を受けることで、合併症の予防ができますよ。
「愛犬がいつもと様子が違う」「何かおかしいな…」と感じた際は、獣医師に相談してみてくださいね。
犬の耳毛を【自宅】で抜く方法
「明らかに耳毛が多くて通気性が悪くなっている」「耳掃除の邪魔になっている」という場合は、耳毛のカットがおすすめです。
自宅での犬の耳掃除の方法を順を追って解説します。
始める前のチェックポイント
耳の状態を確認するために、以下の項目をチェックしましょう。
- よく足で耳を掻いていないか
- よく頭を振っていないか
- 耳の中に大量の毛が生えていないか
- 赤みや汚れはないか
- ベタベタしていないか
- 臭いはないか
耳毛抜きに必要な道具
自宅での耳掃除には、以下の2つを用意してください。
- 犬用のカンシ
- コットン
耳毛の抜き方3ステップ
犬の耳毛の抜き方は慣れればかんたんです。
以下の3ステップで優しく行いましょう。
1)片手で耳を軽く持つ
2)カンシで毛を挟んで少しずつ抜く
3)コットンに洗浄液を付けて汚れを丁寧にふき取る
耳はL字型になっているため、奥まで突っ込まないように注意しましょう。
ただし、耳毛抜きに自身がない方や、愛犬が暴れてしまう場合は、トリミングサロンに行くのがおすすめです。
犬の耳毛を【トリミングサロン】で処理する場合
トリミングサロンで耳毛の処理をするときは、耳の状態に合わせてオーダーします。
ただし、耳トラブルを繰り返していたり、炎症や外耳炎などの病気がある場合は、耳の中を触ることはできません。
必ず事前にスタッフの方に耳の状態を伝えてくださいね。
耳毛カットのメリットとデメリット
メリット
- 耳の通気性が良くなる
- 耳内の湿度や温度が適切に保たれる
- 耳の中に汚れがたまりにくくなる
耳毛カットのメリットは、耳の衛生状態を改善して耳の中が清潔に保たれることです。
デメリット
- 外耳道や皮膚を傷つける恐れがある
- 傷をつけてしまった場合、感染症などを引き起こす可能性がある
- 犬を保定しないとできない
耳毛カットのデメリットは、傷をつけてしまったときの耳トラブルです。
また、犬が動かないように保定する必要もあります。
自信がない方はトリミングサロンにまかせるのが無難ですよ。
耳毛のカットで失敗しないコツ
動く愛犬に注意しながら狭い範囲の耳毛をカットするのは大変です。
失敗したらけがをさせてしまうので、慎重におこなう必要があります。
耳毛カットで失敗しないコツを4つ紹介します。
- 耳をマッサージする
- 普段から耳を触って慣らせておく
- 好きなおやつやおもちゃで紛らわせる
- できるだけ2人以上で行う
耳元でハサミがカチャカチャしている音は、人間でも気になるものです。
犬はさらに音や感触に敏感に反応します。
耳に触れられても安心できるように慣れさせておくことや、複数人で行うなどの環境づくりが大切ですよ。
まとめ
犬の耳毛を安全にカットする方法や耳のトラブルについてお伝えしました。
愛犬の耳毛を自宅で安全にカットするには、正しい知識が必要です。
「耳毛カット=怖い」というイメージをもたれないように、愛犬の好きなもので気を紛らわせてあげましょう。
耳毛をカットするのは、毛量が多くなりすぎたときだけでOK。
心配な場合は獣医師に見せることをおすすめします。