犬が耳掃除を嫌がるのはなぜ?ケアの必要性と困ったときの対処法6選
愛犬の健康のために耳掃除をしたいのに、嫌がって困った経験はありませんか?
筆者はダックスフンドを2匹飼っていましたが、どちらも耳掃除が大嫌いでした。
かわいい愛犬が嫌がる姿を見ると、むりやり掃除するのは気が引けますよね。
「できれば耳掃除はしたくない…」と思うのが正直なところ。
犬の耳は皮膚がうすく敏感なため、むりに耳掃除をする必要はありません。
しかし汚れがたまっているときは、ケアすることで外耳炎などのトラブルを減らせます。
この記事では、耳掃除の必要性や頻度、嫌がるときの対処法を紹介します。
愛犬に合った対処法をみつけることで、飼い主もストレスなくケアができますよ。
ダックスフンドの耳掃除は必要?
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犬が嫌がるときは、むりに耳掃除をする必要はありません。
犬の耳には、奥にある耳あかを自然に外へ押し出す「自浄作用」が備わっているためです。
しかし、耳あかがたまって汚れている状態は、雑菌が繁殖し外耳炎などの病気が発症しやすくなります。
犬の耳は人間と構造がちがい、トラブルを起こしやすいのが特徴です。
ペット保険のアニコムが発表した犬の疾患別の統計では、耳の疾患は消化器・皮膚疾患に次いで第3位となっています。
耳のトラブルが多いことがわかりますね。
とくにダックスフンドは垂れ耳なので、耳の中が汚れやすい犬種です。
日頃から耳の状態を気にかけてあげましょう。
耳掃除は必須ではないものの、汚れが多いときはケアしてあげるのが理想的です。
(参考:家庭どうぶつ白書2023|アニコム)
ダックスフンドの耳掃除の頻度
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耳掃除は、月1~2回が目安です。
犬の耳の皮膚は人間よりも薄くデリケートなため、頻繁な耳掃除はNGです。
頻繁に掃除をすると耳の皮膚が傷つき、炎症を起こす可能性があります。
週1回を目安に耳の状態を確認し、耳あかやにおいが気になる場合は掃除を行いましょう。
犬が耳掃除を嫌がる理由
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犬はもともと耳や鼻などの顔周りを触られるのが苦手です。
耳が敏感で苦手なことに加え、掃除を嫌がる理由は以下の2つです。
- イヤークリーナーが不快
- からだを保定されるのがいや
それぞれ詳しく解説します。
イヤークリーナーが不快
耳掃除を嫌がる理由のひとつは、掃除に使うイヤークリーナーを不快に感じることです。
アルコールが含まれているクリーナーの場合、独特のにおいやスースーとした感覚が苦手な犬もいます。
クリーナーの冷たさに驚いて嫌がることもあります。
感覚や嗅覚が敏感な犬にとって、イヤークリーナーは苦手意識につながりやすいアイテムなのです。
からだを保定されるのがいや
からだを保定されるのがいやで、耳掃除を嫌がっている場合もあります。
保定とは、暴れないようにからだをおさえておくことです。
保定されると自由を奪われるため、怖いと感じる犬が多いようです。
しかし、耳掃除中に暴れてしまうと耳を傷つけてしまう恐れがあります。
以下の対処法に保定の練習方法を紹介していますので、参考にしてくださいね。
耳掃除を嫌がるときの対処法6選
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嫌がる犬にむりやり耳掃除をしたり、大声で叱ったりするのは逆効果です。
愛犬がリラックスした状態で耳掃除をするために、嫌がったときの対処法を6つ紹介します。
1)耳を触られることに慣れてもらう
耳掃除をスムーズに行うためには、耳を触られることに慣れてもらいましょう。
犬がリラックスしているときに、耳をマッサージするようにやさしくなでてあげます。
毎日すこしずつマッサージを取り入れて、耳に触れる時間が長くなってきたら耳掃除へと進みましょう。
子犬のときから慣れてもらうとより効果的ですが、何歳からでも問題ありません。
耳のマッサージをする際は力を入れず、やさしく行なってくださいね。
2)ごまかさずに伝える
耳掃除をする前に、クリーナーを見せながら「今から耳掃除をするね!」としっかりと伝えましょう。
ごまかしながら行うと、イヤークリーナーのパッケージを見ただけで逃げ出すようになります。
得体の知れないものが突然耳に入ってきたら、人間でも恐怖を感じますよね。
クリーナーのにおいを嗅がせるのも効果的です。
「クリーナーは安全なもの」と教えるためにも、ごまかさずに掃除しましょう。
3)おやつを活用する
耳掃除ができたら褒めてあげて、好きなおやつをあげることも対処法のひとつ。
ごほうびをあげて「耳掃除をしたらおやつがもらえる」と覚えてもらいましょう。
おやつのタイミングは、以下のように段階をふんで与えるのがおすすめです。
1)耳にさわれたら
2)ひと拭きできたら
3)耳掃除ができたら
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4)イヤークリーナーを変える
耳掃除を嫌がるときの対処法として、クリーナーの種類を変える方法もあります。
犬専用のイヤークリーナーは、低刺激のものからアルコールを含んだものまで、さまざまあります。
「耳は触れるけれど、クリーナーを嫌がっている」という場合は、違うものを試してみましょう。
また、耳掃除の前にクリーナーを人肌程度に温めてあげることも効果的です。
5)保定の練習をする
日頃から保定の練習をしておくこともおすすめです。
耳掃除をしないときに、からだをおさえた状態でじっとする練習を繰り返しましょう。
耳掃除の保定は、顔が動かないように片手で口を持つ体勢が基本です。
できたときはおやつをあげて、たくさん褒めてあげてくださいね。
保定に慣れておくことで、病院での診察や爪切りの際も嫌がらず安全に行えます。
6)プロに任せる
耳掃除に慣れないあいだは、病院やペットサロンにお願いするのもひとつの手。
嫌がって暴れる犬に対してむりに耳掃除をすると、耳を傷つけたり、トラウマになる場合があります。
最初はプロに任せて、耳を触られることに慣れたら自宅での耳掃除へと進めましょう。
耳の中が汚れやすい犬種
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耳毛が多い・垂れ耳・脂漏体質の犬は耳の中が蒸れて汚れやすいため、定期的なチェックが必要です。
ダックスフンドは垂れ耳の犬種に該当します。
〈垂れ耳の犬〉
- ミニチュアダックスフンド
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリバー
- パグ など
〈脂漏体質の犬種〉
- アメリカンコッカースパニエル
- シーズー など
〈耳毛が多い犬〉
- ミニチュアシュナウザー
- プードル など
ダックスフンドを含む上記の犬種は耳の中が汚れやすいので、耳をよく観察してあげてくださいね。
耳のトラブルが発症しやすい時期
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気温の高い夏や、湿度が高い梅雨は耳トラブルが発症しやすい時期です。
高温多湿の環境で耳の中が蒸れて、外耳炎を発症しやすくなります。
この時期は垂れ耳のダックスフンドはもちろんですが、汚れやすい犬種以外も耳の状態をよく観察するのがおすすめです。
まとめ
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耳掃除を嫌がる場合は、むりやり行う必要はありません。
しかし、汚れがたまっているときは、ケアをすることで外耳炎などの病気のリスクを減らせます。
リラックスした状態での耳掃除ができるよう、普段からスキンシップをとって耳を触っておくことが大切です。
今回紹介した対処法を試して、愛犬に合った方法をみつけてくださいね。